南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「シンドバッド」海賊映画 其の参 可

ブラッド・ピットがシンドバッドの声をしてます。話は何だか、あまりインパクトのないロマンスだかアドベンチャーだかどっちつかずの感じですが(どっちもでもいいし、どちらかでもいいのですが、要するに話が弱かったんです)、所々ちょっとすごい事をやっているのではないか、と、いうシーンがありました。

まず、意地悪女神エレス(声はミシェル・ファイファー、結構はまり役でした)。ゆらりゆらゆらと日本の墨絵を動かしたらこんな風かしらと思えるような(カラー作品ですけど)、よどみない流動体の動きで、話しながらシンドバッドに絡みます。絡むんですが、決して色っぽくはなく、かえって、冷たい感じが増長されてました。

水の魔物、セイレーン。歌声で水夫たちを惑わし溺れさせる、恐ろしいお姐さん達です。水の透明感そのままで、女体が、波間から現れては船に襲いかかり、又、水に同化して砕け散っていきます。なかなか、きれいであります。シンクロナイズドスイミングの選手の動きをなぞったとか。そういえば、オリンピックであのポーズを見たような、、、

敵本拠地の砂漠。これが海のようにうねります。主人公達の立っている足下の岩壁(?)が引いては寄せる黄褐色の砂に現れたり埋まったり。これに、まるで、飛行機にでものっているように、こちらの視点も近づいたり引いたり、左右上下に揺れたり。映画館で見ていたら、きっと酔っていたでしょう。

こう見てみると、恐いシーンばっかり、力が入ってますね。そういえば、チャンバラシーンもまあ、スピード感があってよかったです。ちょっと凝ったシーンを時々見て、後は何も考えたくない時に最適です。