南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 液体金属の活用法

Liquidmetal: Redefining Metals for the 21st Centuryより抜粋

真空中、静電気で宙に浮かせたジルコニウム・チタン・ニッケル・銅・ベリリウムの混合物に、レーザー光線を当てます。すると、常温でゆっくり固まる液体金属のできあがり。急激に冷やさなくてよいので、結晶化してガラスにならなくてすむ結晶化せずにガラス化する*1そうです。改良を重ねてできた物は、チタンをはるかに凌ぐ強靭な合金、その名も「液体金属(Liquidmetal)」。

液体金属(liquid metal)と言うと、真っ先に頭に浮かぶのが「ターミネーター2」。あの飄々とした千変万化の悪役ターミネーターが、この液体金属という代物からできてました。ですが、現代ではあそこまで柔らかい金属ができません。固まってしまえば、もうそのままです。何がすごいのかと言うと、チタンの二倍近い強度と、その抜群の弾性です。

To test these characteristics, an experiment was set up. In the experiment, three marble-sized balls made of steel were dropped from the same height into their own glass tubes. Each tube had a different type of metal plate at the bottom: steel, titanium, Liquidmetal. Once each ball was dropped they were left to bounce. The balls hitting the steel and titanium plates bounced for 20 to 25 seconds. The ball hitting the Liquidmetal plate bounced for 1 minute and 21 seconds. During the experiment, this was the only ball that bounced outside its tube.

特性を検証する実験をした。三個のビー玉大の鋼鉄の球を、各円筒ガラスの中に、同じ高さから落とした。底にはそれぞれ、違う金属盤があつらえてある。鋼鉄とチタンと液体金属だ。落とされた鋼鉄球は、弾み具合を観察された。鋼鉄とチタンに落とされた鋼鉄球は、20秒から25秒弾んだ。液体金属に落とされた鋼鉄球は1分21秒も弾んだ。実験中、この鋼鉄球だけが円筒の外に飛び出した。(訳 南の猫)

この素晴らしい合金を何に使うかと言いますと、流石アメリカ。金属バットです。こんなのでバットを作っちゃったら、投手が大変だろうと心配するのは私だけでしょうか?ホームラン王ばっかり続出で、投手旗色悪し。球場を大きくする訳にはいかないだろうから、新たな変化球で勝負?それとも、弾まないボールを開発するとか?打球もすごそうだから、グローブも改良してもらわないと。

*1:すみません。解釈間違えました 。なかを先生のご指摘通り、「ガラスが結晶化」ではありません。