南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 "Equilibium" 痛快アクション映画

リベリオン -反逆者- [DVD]

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話は、お馴染みの第三次世界大戦後、感情を禁止された管理社会で、自我に目覚める主人公の葛藤。

町はコンクリートジャングルで、装飾っぽいものは一切禁止。人も、学生服を思い起こさせる詰め襟の、まっすぐなカットの上着とずぼんで統一。色は灰色やぼけた茶色。とにかく色彩というものがありません。こうなると、返って、主人公属するエリート警察隊の真黒の制服が目立ちまくります。これに、長いはちまきと金ボタンをつけたら、それこそ、高校野球の応援団。

音楽駄目、文学駄目、美術駄目、と、いうことで、日永な一日何をするかといいますと、仕事と勉強と鍛錬。定期的に感情を抑える薬を投与しながら、人々は独裁者の演説を大きな画面で眺めます。と、セットは何とも言えない定番。

お目玉は、このエリート警察隊が駆使する新しい武術、“ガン=カタ”。「マトリックス」の仮想空間で弾丸を避けたり、漫画ではよく達人が鉄砲の弾を素手で受け止めたりしますが、ここではもう一歩。マシンガンで武装した謀反人達の部屋のまん中に一人乗り込み、一斉射撃を浴びながらも、一発も当たらず、ほとんどその場から離れず、撃ちまくって一網打尽。最初のアクションシーンで、主人が鼻を鳴らして、その後、熟睡。私も又はずしたかな、と、ちょっと後悔。

しかし、この後、楽しくなりました。こんな色気のない生活は嫌だと、秘密の小部屋を作って、禁制の絵画や本やレコードなどを楽しむ、密かに薬を拒否する人たち。主人公がこういった部屋を摘発するたびに、画面に色が溢れ、感情をとりもどしはじめた主人公にも表情の変化があらわれはじめます。そして、この後は、狐と狸の化かし合い。裏をかかれたと思ったら、その裏をかいて、それから、又……というように、結構入り組んできます。

そして、最後の対決。大ボスの右腕との対峙で、あら〜。大ボスとの対決で、又、へ〜。面白かったです。結局、独裁者は倒れて、人民は自由をとりもどし、めでたしめでたしで、先日観た「英雄〜ヒーロー〜」とまるっきり正反対の映画です。映画館で、二本立てにしてくれないかしら。

蛇足:
息子役が、ちょっとしかでないのですが、とっても魅力的。こういう伏線をはられると、もう参ってしまいます。主人公役のクリスチャン・ベール、主人はキアヌ・リーブストム・クルーズのあいのこに見えるというんですが、見えます?