南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「デューン ブトレリアン・ジハード」ここからアラキスが始まる(のか?)

The Butlerian Jihad (Legends of Dune)

The Butlerian Jihad (Legends of Dune)

は〜、面白かったです。とてつもなく強大強力無慈悲な人工知能、対、辺境星域にちらばる最後の自由を守る人類。のはずですが、機械同士でもいろいろあり、人類社会の中でも当然いろいろあり、絡み絡まれ、どう収集つけるのでしょうと心配になるほど、あちこちに不穏の種がばらまかれます。

著者は、SF大河ドラマ「デューン砂の惑星」を書かれた故フランク・ハーバードの息子とその共作者。あの偉大なるお父さんの世界をここまで再生できるなんて、ものすごい親孝行なのではないでしょうか。にも書きましたが、このシリーズの前に、ポール・アトレイデが生まれるまでの三巻も執筆してます。これはそれなりに楽しめましたが、何となく軽い読み物といった感じでした。ので、これもそうした感じかと高をくくって読み始めたのが、思いっきり裏切られました、いい方向で。

ハビア・ハルコンネンとヴォリアン・アトレイデの初顔合わせ。天才美女政治家をめぐる三角関係。が、ちらりと垣間見えた所で、続きは次卷。嘆息。これも三巻続けて読まないとダメなようです。ギルドもベネ・ゲセリットもまだ片鱗も見せてません。早く、次のが図書館に返ってこないかな〜。

それを待っている間、ちょっと言葉遊び。なかなか意味深な言葉が話のあちこちにばらまかれてます。

Nothing is impossible.

成せば成る。

この言葉が、二度に渡って、大革命のきっかけを作りました。

The narrow mind erects stubborn barriers. But against those barriers, words are formidable weapons.

To Serena Butler from her mother

心が狭いと、頑固さが壁となって立ちふさがるもの。でも、そうした壁に、言葉はとても有効な武器となる。

Survival was the essence of success and violence was the last refuge of a failure.

To Ismael from his grandfater

生存が成功の鍵であり、暴力は破局の一歩手前の逃避場所である。

There are ending all around us, and beginnings. You alone can decide where you are on the path.

From Elko to Iblis

至る所に、終焉があり、原点がある。あなたの行路の現地点を見極めるのは、あなただけにしかできない。

「Dune: The Butlerian Jihad」より抜粋、拙訳 by 南の猫