イラストは故石ノ森章太郎先生によるポール・アトレイデ。「デューン砂の惑星 (1) (ハヤカワ文庫 SF (76))」より。二十五年経た今みても、素敵な少年です、*^^*。やっぱり、ポールはこうでなくちゃ。そして、シリーズ最新作、読み終わりました。
The Butlerian Jihad (Legends of Dune)
- 作者: Brian Herbert,Kevin J. Anderson
- 出版社/メーカー: Tor Books
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: ハードカバー
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: Brian Herbert,Kevin J. Anderson
- 出版社/メーカー: Tor Science Fiction
- 発売日: 2004/08/02
- メディア: マスマーケット
- この商品を含むブログ (2件) を見る
The Battle of Corrin (Legends of Dune)
- 作者: Brian Herbert,Kevin J. Anderson
- 出版社/メーカー: Tor Books
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: マスマーケット
- この商品を含むブログ (2件) を見る
Thou shall not make a machine in the likeness of a human mind.
<なんじら、人の心に似せたる機械を作るなかれ>Fear is a mind killer……
<恐怖は心を殺すもの……>和訳、「デューン砂の惑星 (1) (ハヤカワ文庫 SF (76))」巻末用語辞典参照といった有名なフレーズも織り込まれ、からくも「コリンの戦い」に終止符を打つと、その間にオレンジカソリックバイブルのもととなる宗教団体も発足し、ベネ・ゲセリットの最初の教母に、ギルド・ナビゲーターの初代、メンタット第一号、スク学校設立者、フリーメンなども無事に生き延びて、ついでにいきなり「コリノ家」の初代が宣誓し、壮大な三部作は幕を閉じてしまいました。アトレイデ家とハルコルンネン家の恨みの原因も出たし。それは人類の命運の分かれ目とはいえ、若者のナイーブさと老兵の頑固さと、どちらもどちらというか……許せないものですかね……それに、ロボットと思考機械の最後も気になる……続編が出てもおかしくないな……と、疑問はいろいろありますが、よくつながりました。大満足の三冊です。
恒例(?)言葉遊び。拙訳 by 南の猫。
"What if we all see different visions?" Ishmael asked. Marha looked at him. "We will each see what we need to see, and everything will be all right."
「皆、違う未来を視たらどうなるのだ?」イシュマエルが問うた。マーハはイシュマエルを見つめた。「皆、それぞれに必要な未来を視て、それで万事おさまるところにおさまるものよ」元祖フレーメンです。
"There is nothing in the universe I want more than that, but the universe is not in the habit of asking my preference."
Vorian Atreid「この望みさえ適えられれば、この宇宙で他に欲しい物など何もない。だが、宇宙は、おれの意向を聞く耳など持たないようだ」
ヴォリアン・アトレイデ言わずと知れた、元祖アトレイデ。
"I do not fear death, for I was fortunate to have been born in the first place. This life is a gift, and was never really mine at all."
Serena Butler「私は死を恐れない。生まれて来れたこと自体が幸運だったのだから。この命は私に授けられたもの。私個人の所有物なのではないのだから」
セレーナ・バトラーブトレリアン*1・ジハードの直接の引き金となり、死後も聖者として聖戦の旗に飾られ続ける女性。
"Do not confuse the accumulation of data with intelligence."
Erasmus「集積された情報を叡智と勘違いしてはいけない」
エラスマス(独立したロボット)いろいろ、問題を複雑にしてくれる、味方だか敵だかわからないロボット。
"The flesh may not be excused from the laws of matter, but the mind is not so fettered. Thoughts transcend the physics of the brain."
Cogitor Vidad「肉体は物理的法則から逃れる事はできないが、精神は拘束されない。思考は脳の物理的限界を超越する」認知者ヴィダッドこの認知者たちは肉体のわずらわしさを逃れるため、脳だけ摘出して培養液の中に浮かび、哲学を究めようとします。千年の思考の後得られた叡智で人類を救えるのかといいますと、これまた、皮肉な結果となりました。
"When the observer truly believes the illusion, it becomes real."
Swordmaster Zon Noret「見ている者がその幻影を本物と信じ込んだ時、それは現実となる」剣匠ゾン・ノレット原デューンシリーズで延々と活躍するダンカン・アイダホが鍛えられた闘士訓練学校で、究極の闘士としてあがめられるジョエル・ノレットの父親。
"Nothing is ever as it seems. With appropriate equations I can prove this."
Norma Cenva「見かけ通りのものなど何もない。私は、それを歴とした方程式で証明できる」ノーマ・センバギルドの発端となる女性。
最後にシビアな真理。
"The only guarantee in life is death, and the only guarantee in death is its shocking unpredictability."
A saying of Old Earth「生のうちでたった一つだけ確実なのが、死だ。死の時、たった一つだけ確実なのが、その桁違いの不測性だ」
原地球の言い伝え