南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 ニュージーランドの地名はむずかしい

地図


中国編:猫とお姉さん

学生風のお姉さんがカウンターに来るなり、"I want a North Iceland map."(北アイスランドの地図が欲しいのです)

このwantという言葉は、こういう時にはあまり好ましくないのですが、中国人は単刀直入にお話する方が多々いらっしゃいます。これは客と店員の立場が逆になっても同じです。中国人だらけの肉屋のカウンターでいきなり "What do you want?"と強い口調で聞かれた時はちょっと面食らいました。"500g of sausages, please."とお願いすると、後は一言も言わずにソーセージを量りではかって、袋に値段を張ると、カウンターにばしんと置かれました。中国人以外は来てほしくないお店なのかもしれません。時々、あります。でも、対照的に商売熱心なお店は、愛想よく、物もよいので、はずれても気にせずに違うお店を試します。

で、この学生風お姉さんもまだ、お願い調を教えてもらっていないか、気にしていないか、かなりの紋きり口調です。インフォーメーション・センターはニュージーランドの情報を扱ってますので、国内地図の販売もしています。もちろん、無料の地図もあります。まず、こちらをお勧めしてみます。

"I'm sorry but we have only New Zealand maps. We've got a free one, that covers whole NZ. Would you like one of those?"
"NO, I WANT A NORTH ICELAND MAP."
"I am sorry but we don't have maps of other countries. I can show you where the map shop is."
"NO, I WANT A NORTH ICELAND MAP."

お姉さんはかなり、いらついてきています。ふーむ、無料の近辺の地図に筆談かしら?とごそごそとペンと地図を取り出していると、
"You have one. I show you."
おもむろにお姉さんは地図の見本の棚に行くと、一枚の地図を指差しました。
"See, this one!"
それは北島の地図でした。納得。
「あぁ、ノース・アイランド」と思わず言ってしまうと、お姉さんは、
"ノー! ノース アイスランドアイスランド!アイ エス エル エイ エヌ ディー、アイスランド!」
はは、^^;、スペルはあっていますが、islandのsは発音しませんと心では思っても反論してはいけません。お客さまはいつも正しいのです。固い決心に顔をこわばらせたお客様はようやく北島の地図を手にして、カウンターを後にしたのでありました。

ヨーロッパ編:同僚と美男子

これは同僚の辞職パーティーで、一番彼女の心に残ったお客さまのお話です。

「ストレート・コック」はどこだ、と、聞くお客様。ヨーロッパ訛の強い、金髪美男子だったとか。しかし、聞かれた名前に覚えがありません。と、いうか、何のことだか、わかりません。Straight(まっすぐ)はよいとしても、Cock(雄鶏)が……これは男性の身体の部分を意味することもあります。 と、いうか、そちらの意味で使われる方が断然多いニュージーランドであります。朝から、まじめな顔してこんな質問ねぇ、ゲイ・バーか、クラブかしら、と、考える同僚。オークランドにはこういうクラブが固まっている地域があります。こんなことも知らんのか、と、言う風に、「ストレート・コック」はどこだ、を繰り返すお客様。ちょいとお待ちを、他の若い者に聞いてきますから、と、椅子を立とうとする同僚に、「ほら、フェリーに乗る所」と、お客様。

ニュージーランドの地図を見て、どこだかわかります?正解は:

"Cook Strait"(クック海峡)でした。あぁ、クック・ストレイトですね、と、ストレートな(まじめな)顔をして何度か正しい地名を繰り返してお客様に地図でお見せしたそうですが、又、どこかで同じ言葉を繰り返して、ゲイ・バーに案内されていないかしら、と、笑いながら心配していた同僚でした。