母は広島出身で、山の中で原爆の光を目にしたそうです。でも、これは主人経由で聞いた話です。主人がそういった話を伝えてほしいと頼んだ所、でも口にするのがとても辛いのだ、と、言われたそうです。
息子が学校で、さだこちゃん*1の話を読んでもらったそうです。息子がおばあちゃんの話をしたらしく、担任の先生に、おかあさまは原爆で亡くなったのですか、と、聞かれました。いえいえ、原爆が落ちた時は、遠くから光を目にしただけです、と、一応、誤解を解いておきました。とは、言え、母の死因は癌。もしかしたら、と、いう思いはいつも頭の片隅にあります。子供達が無事に産まれてきてくれて、本当によかったです。
先生は話を読みながら、涙がでてきて大変だったとのこと。私も「はだしのゲン」とか読んではいましたが、今となっては、読むことはできないのではないでしょうか。こちらに持ってきた本のなかに、原爆の時のことを記した子供たちの作文集のようなものがあるのですが、これでさえ、しっかり目を通すことができないのですから。
実の娘の私は母と直接こういった話をしたことはほとんどありません。聞いておけばよかったと思う反面、きっとお互いに言葉にならずに終わってしまったのではないか、とも……この童話は、母が亡くなった後に読みました。
こちらの今日の空は虹はちょっと無理のようです。
*1:映画のリングじゃありません、念のため。