南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 タイムマシンを使う人は……

  1. 恐竜狩り。
    • 事前に調べておいて、事故にあうはずの恐竜をその直前に仕留める。しかし、動転してしまった客の一人のために、歴史が大逆転……解決法なし。
  2. 実物鑑賞
    • 過去のできごとをテレビのように(だったかな?)観られる装置が完成。しかし、発明者は公表しない。報道の自由を求める新聞記者(だったかな?)が暴露して、瞬く間に普及してしまった装置は限界があった。時間がたてばたつほど、ピンボケになる(!)つまり、遠い昔のできごとはぼやけてよくみえない。となると、人が観出すのは懐かしい家族の記憶、そして、有名人の日常生活。かくして、万民の私生活が奪われた……解決法なし。
  3. 人生の計画
    • 各個人の生命が時に掘るトンネルを観られる装置を発明。発明者に観てもらった人たちによって、生命保険業、大ピンチ。ついには、暗殺者をしむけるが、発明者にはそれもわかっていたこと。で、あるけど、避けられないこと……結局、装置も壊され、世の中は平穏無事に一寸先は闇。

 と、まぁ、アジモフハインラインブラッドベリ*1にかかりますと、かなりひねられた短編と化しますね、タイムマシンテーマ。スタートレックだと、もう、これでもかってくらいに時間を飛び越え、第二次世界大戦アメリカ大陸がドイツ軍に占領されても、あらよっと瞬く間にもとに戻ったりしてましたが。

 やはり、時間テーマで一番好きなのはこれです、これ。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 主人公は冷凍睡眠で未来にとばされ、どうしても気になること(と、できれば猫をとりもどしたい!)があって、眉唾かもしれない学者の理論に頼って、過去にとばしてもらいます。
 ここから、ちょっとネタバレかもしれませんので、読んでみたい方は本に目を通してから、戻ってきてください。
 この飛ばされ法がまた、すごいのです。現時点から時空を越えて何かをとばす場合、両方向に同じ質量をとばさなければなりません。同じ物質でなくてもよいので、自分と同質量の岩のかたまりでかまいません。が、どちらが過去に行って、どちらが未来に行くかは、皆目見当がつきません……主人公は、過去に行きたいのだけど、ま、未来に行っても楽しいだろう、と、度胸満点で実験台にのぞみます。それくらいしないと、幸福はつかめないようで……

 と、id:suikanさんの所のタイムマシンという言葉につられた、戯言でした。そう言えば、この主人公が冷凍睡眠から目覚めた時に立ち会った未来人医師は、主人公の元時代を含む数世代の言葉を流暢に話せるのが特技だとちょっと自慢してました。主人公が、二、三、知らない単語がでたけど、言わないでおこう、と、密かに思ったところは、笑えます。

*1:ちなみに、どれが誰によるかがすぐにわかった方は、私と読書歴がかなりかぶります。御愁傷様……