南の猫の里帰り雑記

29年ぶりに帰国して3年日本にいたけどNZに里帰り

 恨み、つらみ、と、愚痴

 年寄りの世間話というと、ネガティヴな方面を得意とする人の方が絶対多数をしめるのは、たぶん一般常識なのでしょう。親戚の数の多い主人の集まりに参加すると、たくさんのおじさん、おばさんにお会いします。その中で、非常に顕著なおばさま、約一名。

 会う度に自分の身にふりかかった不幸を何十年にもさかのぼって訴えて、周囲の人間のいたらなさを両手の指では数えきれないほど話し続けられるあのエネルギーはどこからくるのか本当に不思議。聞いていると悲惨です。でも、客観的に見れば、食うに困っている訳でもなく、不治の病に侵されている訳でもなく、天涯孤独の身でもなく、平均で言えば、中よりもずっと上に位置する境遇なのだけど。

「あなた!!!携帯がなっているわよ!!早くとりなさいよ!!」
 ソファでうつらうつらしているだんなさんに、部屋のむこうがわで携帯電話が鳴りだしたとたんに怒鳴り口調。
「全く、耳がとおいんだから……」
(耳がとおいのはわかっているのだから、もう少し優しいお言葉をかけてあげればよいのに)
「医者に行っても、全然よくならないのよ」
(六週間サポーターをして安静と言われたところを、じゃまだと三日でとりはらったら、それは関節がたまりませんでしょ)
「私は全然食べていないのに、肥ってばかり。主人はあんなに食べているのに肥らないで、不公平よね」
(コップ一杯の水でさえ、自分は腰を上げずに、ご主人に取りにいかせるのだから、運動量の差が違い過ぎますよ)
「彼の料理は本物じゃないのよ*1
(でも、この料理のほうが、あっさりしていて私は好きなんです)

 客が来なければ、誰も私のことを気にかけてくれないと嘆き、客がくれば、台所がちらかる、居間が汚れると、ぼやく。こんなに否定的な事柄ばかりが頭を駆け巡っていて、毎日、よく暮らせるなと、感心の域に達しています。だからと言って、話を聞くのが楽になるわけではなく、自然と敬遠体制に入ってしまう私は、まだまだ未熟者。

 年をとればとるほど、方向転換がむずかしくなるそうです。でも、それも、脳の鍛錬しだいで、柔らかくすることは可能です。可能だけど、やはり、年とともに困難度も増すわけで……私もここで苦手意識で固まっていないで、もう少し前向きになんとか対処しないとな、と、ちょっと自分に喝をいれてみる、

( ・_・)┌θ☆( >_<)

*1:レバノン人は、ほとんど皆が、手前料理が自慢です。