南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 知性 プラス 感情 イコール 言語

"Brain Science #7: Bonobos with Dr. Stuart Shanker"

 インタビューされているスチュワート博士は、猿のボノボの研究所を訪れます。三度目の訪問で、猿と散歩にでかけました。ある場所で、猿がたちどまって地面を指差し、しきりに何か伝えたがっています。研究員にコミュニケーション用の記号表を持って来てもらうと、猿はキノコと「悪い」という記号を交互に指差しました。毒キノコを教えてくれたのです。スチュワート博士が、他にもあるか、と、聞いたところ、その後、一時間ほど、猿はあちらこちらの毒キノコと食べられるキノコを教えてまわってくれたとか。博士がこの土地の出身でなく、そのため、この情報は知らないだろうと推理して、猿が自発的に教えてくれたことに、博士はすっかり感銘を受けたそうです。

 ここのボノボたちは、言葉を話す訓練をしているのではなく、子供のころから人の赤ちゃんと接するように育てられた結果、気持ちの伝達への欲求が高まり、言語能力*1の高度な発展へとつながったというのが、研究所の持論です。記号表を使えるように訓練された猿は多々いますが、ここまで意思伝達がたくみにできる猿はいないとか。

 知性の極みのように思われている言語能力も、感情なしには発達できない、というところから、感情あっての知性という話にまで発展しているようです。

*1:この言語能力 language skillという言葉を使っていいのかどうか、まだ、学会では論争中だそうですが。