南の猫の里帰り雑記

29年ぶりに帰国して3年日本にいたけどNZに里帰り

 癌の新療法 - エピジェネティックス

 遺伝子というのは細胞の設計図のようなものだそうです。生物の各細胞にはその生物の設計図が全セットしっかりおさまっているのです。多細胞生物の特殊化した各細胞がその特殊部門に発達するために、その設計図全部を解読する必要はありません。髪の毛になる細胞はその部分だけの設計図だけを読み取って髪の毛に発達し、肝臓はまた髪の毛とは別の所の設計図を読み取って、と、いうふうに。では、どうやってその細胞が設計図を選ぶことができるのでしょう。それを指図してくれる遺伝子もありますが、いらない設計図を外からスイッチオフして細胞から見えなくしてしまう化学物質もあります。この化学物質が第二の遺伝子という意味でエピゲノムと呼ばれるそうです。この仕組みを研究するのがエピジェネティックス。エピゲノムが遺伝子にはりついて黙り込ませてしまうのがエピジェネティックス変異。

 最近はこのエピジェネティックス変異と癌の密接な関係が解明されつつあり、それに対応する有効な治療法も研究中だとか。

 と、いうことで本題のサイト、及び抜粋など。和訳はいつもながら拙なわたしです。

EPIGENETIC THERAPY

NOVA | Ghst in Your Genesより

The idea of epigenetic therapy is to stay away from killing the cell. Rather, what we are trying to do is diplomacy, to change the instructions of the cancer cells. You see, cancer cells start out as normal cells. They have the set of instructions that is present in every one of our cells.

エピジェネティック療法の主意は細胞滅刹を避けることだ。そのかわりに交渉する。癌細胞の持つ指令を変更させる。癌細胞も発生したときは普通の細胞だ。われわれのどの体細胞にもある指令を一式内包しているのだ。

In the process of becoming cancer, a lot of these instructions are forgotten because specific genes that regulate the behavior of a cell are turned off by epigenetics. And epigenetic therapy really aims at reminding the cell that, "Hey, you're a human cell, you shouldn't be behaving this way." And we try to do that by reactivating genes, by bringing back the expression of these genes that have been silenced in the cancer cell and letting those genes do the work for us."

癌細胞に発達するさい、この指令の大部分が忘れ去られる。その細胞の発達状態を制御するはずの特定の遺伝子群が、エピジェネティックス変異で黙り込まされてしまう。エピジェネティックス療法の本質は細胞に思い出させることだ。「おい、きみは人間の細胞だ。そんなふうにふるまってはいけない」遺伝子を復活させて、つまり癌細胞の中で黙り込んでしまった遺伝子を発現しなおさせ、その遺伝子たちに仕事をしてもらう。

 そして、このエピゲノムを混乱させる一例が:

Smoking, for example, is very toxic to cells.
例えば、喫煙は細胞にとって非常に有毒なものだ。

細胞にとって致命的であるだけでなく、エピゲノムにも直接多大な影響があるそうです。

The lung of a smoker is 20 years older than the lung of a non-smoker.
喫煙者の肺は、喫煙しない者の肺に比べて20年は年老いている。

喫煙するたびに細胞を殺しているので、細胞分裂も喫煙していない人の何倍もの回数で行わなければなりません。DNAがコピーされるたびに、エラーの起きる確率も増えてきます。傷のある遺伝子が増える確率と、暴走、あるいは怠慢エピゲノムが増える確率が、上昇線をたどる一方。と、まあ、何を言っても禁煙にふみきれない人もいるんですよね〜

 この療法はまだまだ試験段階ですが、経過は良好だそうです。10年か20年後には一般化されるのでは、との、希望的な観測。放射線治療のようにきつい副作用がなさそうなので、癌が多い家系の私としては期待してます。