南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

ギャラクティカ 第三シーズン

OH, MY GODS!!!!

と、叫びたくなるような場面が山ほど。これ以上盛り上げられたら、息もつかさぬ展開のありすぎで呼吸困難に陥りそう、と、思いつつ、どんどん盛り上げられてます。何度か書いていますが、主人の帰宅が遅い日が多いので、一話一話ゆっくり間をあけながら鑑賞してきました。気分的にも、話の合間にいろいろと邪念を張り巡らす余裕がでてきます(?)

 初めにびっくりしたのが、リー・アダマくん。お、おなかが、でとりますがな、ほっぺがふくらんでますがな……って、わざとだったんですね。リーくんファンはご安心を。ちゃんともとのイケル男アポロにもどります。が、その後もいろいろありますね〜。夫婦問題に親子問題に友情問題。いろいろととりまぜて、楽しませてくれます。

 それから、あいも変らず狂人ぶり100%発揮のバルター博士。登場人物が惚れた振ったを繰り返すソープオペラなるもので憎まれ女役のことを"the bitch you love to hate"と称します。バルター博士はその男性版ですね。お調子もので、誘惑に弱くて、口達者で、女たらしで……よく生き延びます。いつも女に助けられてばかり。さて、第四シーズンの狂人ぶりはいかに?

 少し、おさらいをしますと、サイロンと呼ばれる機械人間とそれを作った人間との悶着話です。人類発祥の地、地球はとっくに伝説の霞の奥に潜り込み、人は12のコロニーで繁栄していました。労働力として作ったサイロンがあまりにも発達しすぎて反乱を起こされるも、何とか平和協定を結んで40年ほど無事平穏に過ぎ去った後……

 新種のサイロンが現れます。無機質材料を使用していた金属的外観の今までのサイロンとは違って、身体は人類と判別不可能な有機体。人側の俗称のひとつが"skin job"「皮付き」かな?笑えます。人類と唯一の違いは、その身体が死亡すると、意識が親船にダウンロードされてそこに備蓄されている次の身体へと転送されます。6番の番号のついた金髪色気美女が、まず最初からこの新種サイロンとして登場します。12コロニー政府の首都がいきなり総攻撃され、その時の核爆発で身体は消滅。新たな身体に意識がダウンロードされ、英雄としてカプリカ・シックスという名を与えられます。同じ身体でも、何体も同時に作動していたりすると、経験と記憶に徐々に差がでてきます。この6番も、カプリカ・シックスと、ほかの6番が争ったりしてしまいます。

 話が進むにつれて、ぽつりぽつりと新種サイロンの顔がわれていきます。自分は人間だと信じていたのに、無意識のうちにプログラムが発動して人を傷つけ、殺され、新たな身体で生き返った一体は、
「あそこにいたのが私の仲間、私の家族。その彼らを裏切ってしまった。あんたたちのせいで。あんたたちなど仲間でもなんでもない。Fxxxx oxx!」
と、あたりちらしたりします。人のほうも、だんだん自信がなくなって、自分はサイロンではないかとノイローゼになったり。

 この新種サイロンのモデルは12種。コロニーひとつにモデル一体という勘定でしょうか?最終的にはサイロン本船で集会しているところなどもでてくるのですが、顔がわかっているのが7体。"The Final Five"と呼ばれる最後の5体は、実はこの7体にも正体がわかっていません。第三シーズンの最後で「一人、正体がわれる」という情報を聞きかじったのですが、少々勘違いでした。好奇心をくすぐられるのは視聴者だけではなく、7体サイロンのうちの一人もとりつかれたように夢で告知を受けようとします。念願かなって、寺院でお告げを受けて5人の顔をおがんだらしいのですが、この時は視聴者には顔を見せてもらえません。その時の彼女の言葉が
"It's you. Forgive me, I didn't know."
「あなたでしたか。しらなかったのです。お許し下さい」
と、いうことは、会ったことがあるわけです。さ〜て、あのひとか、このひとか、と、話がすすんでいく中で推理を楽しみます。でも、あんな風になるとはね……全くもって、してやられました。

 夢のお告げというのは話の中で重要な役割を果たしています。サイロン一神教、人類は多神教。そこでことあるごとにサイロンは"Oh my god." 人は"Oh my gods."と口走ります。日本語はどう訳しているんでしょうね?「神よ」と「神々よ」かな?人のほうを「神様、仏様」にしたらおもしろいかもしれないけど、字幕だとスペースとりすぎでしょうね。サイロンは神のご意向にそった世界を作るために、その道をふみはずした人類を抹殺しようとしています。ただ、人類も神の創造物には違いないのだから、共存の術をみいだすべきだと主張するサイロンも出現するに至っては、人よりも人らしい思考体系。人のほうもサイロン撲滅には躊躇する手合いもあり、敵味方、複雑に入り乱れています。

 入り乱れて、どうやって収集をつけるのだろ、と、期待満々、不安少々、で、第三シーズンの最終話(前編・後編でした)を観終わって、呆然。「序章」(mini series)で超新星爆発のようにいきなりまばゆい光を発した後は、シリーズごとに衰えることのないその光が四方八方に広がりつつあります。光がなぎはらった後には、どんな星が残るのか。第四シーズンを待つなが〜い一年となりそうです。