南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 晴れ間

 雨続きで一日篭城していた日曜日。夜、ゴミ捨てに出た所で、星がでているのに気がついた。

ぽつり、ぽつり、と、大きく輝く星がちりばめられた墨色の空。だんだん眼がなれてくると、小さな星がちりばめられた水晶のかけらのように浮かび上がってくる。空が少しだけ青味を増す。これが濃藍という色だろうか。頭上、ちょうど天空を二分するかのように左右に流れる天の川。遠い、遠い星たちの輝きは、ここからは純白の動きのとまった霧のようにしか見えない。遠さ、広さ、大きさ、に、圧倒される。押しつぶされる間もない。自分の小さな存在など、すぐに瞬き消えてしまう。消え入りそう、と、思ったのだけど、星の光がどんどん強くなる。光を受け取る自分が少しだけ強くなる。少しだけ安定する。思いはどこまでも馳せられる。足は大地にしっかりとふんばっている。私と世界はつながっている。手の届かない虚無感が一瞬にして反転した、この満ち足りた一体感。だから、空を見るのが好きなのかもしれない。