南の猫の里帰り雑記

29年ぶりに帰国して3年日本にいたけどNZに里帰り

 ガードナー編年間SF傑作集第九巻(1995年度)

The Best New SF: No. 9

The Best New SF: No. 9

ぶあつい短編集なのでいつ始めたかもう記憶がさだかではないほど。下書きでちまちまと感想を書き溜めてました。

  • "Luminous" by Greg Egan
    • イーガンは苦手意識があるのだけど、これはけっこうのって読めました。1+1=2にならない次元というのは、他にもどこかで聞いた気が。
  • "The Death of Captain Future" by Allen Steele
    • 渋い。こういうのは好きです。
  • "We Were Out of Our Minds with Joy" by David Marusek
    • 非常に切ないアンハッピーエンドSF。
  • "Genesis" by Paul Anderson
    • 短編集のはずなのにこの話はページ数が多いので、苦手意識が先にたちよけいに時間がかかりました。最初の章を読んでいると眠くてたまらなくて。傑作のはずなんだけど……と、三ヶ月ほどのったらのったら読んだので、非常に辛かったです。後半はけっこう楽しめたのですけど、これだったら半分くらいに削ってくれたほうがありがたかったなぁ、と、勝手きままな感想。最後がすべてのシーンを統括してかっこいい結末、の、はずなのだけど、どうもまとまりすぎているような、どことなくふにおちない……きっと数学と歴史の理解のある人々向けなのでしょう。
  • "Feigenbaum Number" by Nancy Cress
    • すうがくていすうはまるきしわかりませんですが、不思議世界物語としては最高。
  • "There Are No Dead" by Terry Bisson
    • 純文学SFというのがあるとは思えませんが、数学も物理もなんの技術もつかわず、なんということもない三少年の成長記が立派にSFしている短編です。すごいの一言。
  • "Mortimer Gray's History of Death" by Brian Stableford (The Best New SF: No. 9)
    • 1995年のSF秀作短編集の最後を飾った逸品。内容は題名のとおりです。不死が定着した未来世界で死をテーマに歴史書を綴っていく男の半生記。第一巻が2914年初版。最後の第十巻が3088年。各巻の間の作者の生活を中心に未来社会が浮き彫りにされていくのが楽しいのですが、最終巻を仕上げたあとにああやはりこうなるかと思わせておいてもうひとひねり、と、いう最後に非常に心地よい余韻が響いた一編でした。

 なんだか非常に四苦八苦して、読み終えるのに異常に時間のかかった短編集ですが、こうして読み終えて目次を見直してみると、ああおもしろかったよね、これ、という題名が大部分です。さすが名編集者ガードナー・ドゾワ。次は何年版の短編集とご縁があるか、ちょっと楽しみではありますが、少々休憩をいただきたいと思います。