「犬があります」と、ペットの事を紹介する生徒さん。ほらぁ、困った。ペットは所有していますよね、と、不思議そう。
goo辞書によりますと
「いる(居る)」は
- 人・動物がその場所に存在する。おる。
- 友人などをもっている。
などなど。
「ある(有る/在る)」は
- 物が存在する。
- (何が存在するかが問題の場合)存在する。
- (その物が存在すること自体は自明で、場所が問題である場合)位置する。
- 人が存在する。
- (誰が存在するかが問題の場合)いる。
- 人が死なずに生存する。
- (その人が存在する事自体は自明のことで、場所が問題である場合)人がある場所に滞在する。そこに暮らす。
- 人がある特別の地位や環境にいる。
- 所有している。持っている。
- 人が財産などを所有している。
- ある人が、家族・親戚・友人などをもっている。
- 物や人などが、ある要素や、付属的・付属的な物を持っている。
- 人や物がある属性をもっている。
- 人などがある能力・実績・経験を持っている。
- 人が、ある考え・記憶・感覚を持っている。
- 人が、何か解決・処理すべき事柄をもっている。
などなど。まだ、続きます。
「いる」の例文を考えてみます。
1 | 私の弟はアメリカにいます。 |
2 | 私の弟は、アメリカにともだちがたくさんいます。 |
「ある」の例文を考えてみます。
1-1 | あそこにスカイタワーがあります。 |
1-2 | スカイタワーはオークランドにあります。 |
3-1 | スミスさんには大きい家があります。 |
3-2 | スミスさんには妻があります。 |
3-3 | スミスさんには髭があります。 |
3-4 | スミスさんには度胸があります。 |
3-5 | スミスさんには教養があります。 |
3-6 | スミスさんには判断力があります。 |
3-7 | スミスさんには用件があります。 |
2の「人が存在する」はどう考えても文語調。
「昔々、スミスさんというおじいさんがありました(2-1)。長い間、病の床にあった(2-3)奥さんをなくし、ひとりぼっちの境遇にありました(2-4)。スミスさんは、奥さんのありし(2-2)日を忍びながら、毎日を暮らしていました。」
ペットを所有してはいても家族同然。家族のことを言う場合でも、普通の会話では「姉が一人います」の方が、「姉が一人あります」より一般的ではないでしょうか。英語にしても、動物は文法的には"it"と称されますが、たいていの人は擬人化して"he"か"she"を使います。と、いったことをちまちまと説明して、とりあえず、生きているものは「います」で統一しておきましょうという結論に達しました。