- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1994/12/10
- メディア: 文庫
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当時、愛読していた月刊の少女漫画雑誌にこの話の前編が載りました。この時ほど、次の発売日が待ち遠しかった事はありません。人生で二番目に長かった一ヶ月でした。一番目に長かったのは、この次の月。何故かと言えば、念願かなって、後編を手に入れ、読んでみたら、最後のページに「次号、最終編に続く」前編、後編といったら、普通二部作でしょう……と、一緒にはまっていた同級生達と愚痴をこぼしあい、人生で一番長い一ヶ月を乗り越え、やっと完結編を目にしました。
もう、台詞を全部諳んじることができるくらい、読み込みました。どこくらい入れこんでいたかといいますと、もーさまファンの同級生達とこんなのや、こういうのを、書きあっていたりしました。11人全部書くつもりで始めたのですが、二人目で挫折しました。ので、フロルがヘルメットを取って、あのうるわしの波打つ金髪をご披露した後の、単行本になってからの台詞の苦しいフォローには苦笑してしまいました。
今、手元にある単行本ですと、
チャコ 「じょ、女性!」 アマゾン 「なんで うち男性(マン)チームだろ」 フロル 「なに?」 タダ 「いや 女性も人間(マン)だよ だから」
と、あります。英語が公用語なのでしょうか。Womanという単語がmanに従属的なので使いたくないという、女権振興集団の申し出もあるようですが、昔の語感を今更あれこれ言ってもねぇ……で、気になる雑誌掲載当時のオリジナルの台詞。
チャコ 「じょ、女性!」 アマゾン 「女性が最終テストに?」 フロル 「なに?」 タダ 「いや、女性だって優秀なら最終テストに……」
確かに女性がテストに生き残って大騒ぎされるのは、ひっかかります。当時から、ちょっと気にはなっていました。どちらにしても、タダはフロルに胸ぐらつかまれて当然なわけです。人を見かけで判断してはいけません(違。
続編の「東の地平、西の永遠」は、登場人物が童顔になってしまったのと、話が彼女にしては凡庸なので、萩尾望都作品の中では数少ない非お気に入り。
ですが、その後の、ショートショートギャグ「スペースストリート」で、又、参りました。宇宙大学生の実体がまざまざと書き連ねてあります。フロルの茶目っ気、存分に発揮。個人的には桃太郎の話に感動したフロルが巨大桃で論文を書こうとしたエピソードが一番好きです。しかし、どれをとっても、フロルファンにはたまらない絶品であります。
と、副社長の記事に啓発され、想い出話となりました。