南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 デューン、ポール・アトレイデ三部作

The Great Dune Trilogy: Dune, Dune Messiah, Children of Dune (Gollancz S.F.)

The Great Dune Trilogy: Dune, Dune Messiah, Children of Dune (Gollancz S.F.)

 ようやく、オリジナルの三部作、終了。最初の「デューン砂の惑星」だけは日本語版も持っているので、今回は同時進行での読書。日本語版はお手軽な文庫本。しかも四冊に分けてくれているので、軽い軽い。英語のペーパーバックですと、かなり長い話でも一冊にまとめます。うちにある英語版のこのシリーズは何故か三部作を一冊にまとめたもの。表紙に映画の方の写真をあつらえている*1ので、映画公表時の出版物かも。これは、重い重い。

 考えてみれば、日本語版を読み直したのは初めてかも。と、いうことは最初に読んでから二十数年経っているわけですが、話はますます色鮮やか。読めば読むほど味の出る名作。その後の「救世主」と「砂丘の子供たち」は、あまりお気に入りではなかったのですが、今回読み直してみると、なかなか面白かったりして。辛いのは、全知全能に近い予知能力と認識力、究極にまで鍛えられた肉体を持ちながら、ひたすら不幸におちこんでいくポールの境遇。これさえなんとか客観的に捉えられるようにさえなれば、裏の裏の裏をかこうと躍起になって化かし合っている狸や狐たちの無駄なあがきを楽しめます。

 しかし、神とあがめられるポールのあまりにもあっけない最後などものともしない、彼の息子の壮絶な一生の物語が次に控えてます。ここが一番の難関。軟体動物苦手の私としては、まず、サンドウォーム(巨大砂漠みみず、体長数百メートルにもなる)と合体してしまう主人公の変体ぶりからして、精神的に辟易してます。ですが、新作にのぞむ前に是非、もう一度全編読破しておきたいところ。がんばるぞ〜。

*1:はまぞうでは見つからなかったので、代換品を載せてます