南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 郵便と鎧の共通点は仏蘭西にあり

 上の「鋼の錬金術師」で「オートメール」なる新語(?)がでてきます。朝ご飯ではありません、あれはオートミール。英語でもそのまま訳されてまして auto-mail。メールと言えば、まず最初に頭に浮かぶのは、郵便関係ではないかと。しかし、この物語では自動郵便はありません。「オートメール」はとても便利な義足や義手、神経と連携して思い通りに動くらしい。つまり、mailはmailでも、鎧かたびらの方です。どうしてこうまで違う物体が同じ綴りで同じ発音でおさまっているかと言いますと、

昔、仏蘭西で盗賊よけに鎧をつけないと郵便物は運べなかった。

のではありません。昔、西ドイツにいたフランク族の「財布、袋」を表す言葉 malha がもととなった古フランス語 male が英語に取り入れられたのが郵便の mail。ラテン語の「網の目」を示す macula が変化した古フランス語 maille 「金物鎖の防護服」も、英国人には郵便と同じ発音として聞こえて mail。かくして、めでたく天と地ほどの違いのある同音異義語のできあがりです。そこで、
"Could you mail this?"
と言われて、切手をとりだすのがロス少佐(だったっけ?)、ねじ回しをとりだすのがウィンリーちゃんということになります。


英語語源の参照もとは"Online Etymology Dictionary"でした。