南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 My father is my mother.

とはなんぞや、というなぞなぞジョーク。正解は「私の父はわがままです」これがジョークではなく、実際に起こっているのが魚の世界。

サイエンス・サイトーク 
「メスがオスになり、オスがメスになる」2006/03/12

によりますと、あの愛らしいオレンジと白の縞々模様のカクレクマノミの夫婦は、大きいほうがお母さん。二番目に大きい個体がお父さん。三番目以下は雌雄にまだ成熟していない両性体の子供たち。

 生存競争の激しい自然界です。お父さんが身体をはって、群れを守ったりします。お父さんの空席を埋めるのは、一番身体の大きい子供。数ヶ月かかって、身体の中の精巣を成熟させて、一家の柱となるそうで。では、お母さんが亡くなってしまった場合は……順番がくりあがって、群れの中で一番身体の大きくなったお父さんが精巣を縮小させ、卵巣を成熟させ、お母さんに変身。あとは、子供が順に繰り上がってきます。子供と、お母さん、あるいはもとお父さん、の、夫婦というのはなんとも言いがたいようですが、実は、血のつながっていない個体だったりします。卵からかえった赤ちゃんクマノミは流されて生まれ里のイソギンチャクを離れてしまうケースが多いとか。

 ですので、

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は、おかあさんが食べられてしまった時点で、おとうさんはおかあさんに変っているはずです。ニモは、もとおとうさんおかあさんのだんなさん候補。つかまえられたニモを捜しにいく、もとおとうさんおかあさんは、未来のだんなをとりもどすため遠路旅立つのでした。と、いう筋ですと、こみいりすぎて子供がついていけないのはわかりますが、おとうさんがおかあさんに変るくらい、話にいれてもおもしろかったのではないかと……ちょっと思ったりしました。