南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

はやすぎる寒気団到来

 まだ忙しいのですが、根性でキャンプに行ってきました。天気が悪そうだとは聞いていましたが、いやはや。

 金曜日、先々週の残業分二時間もらって、早退。ばたばたと支度をして娘と集合場所へ。息子はもうこういうのはつきあってくれません。同じ年頃の男の子たちと遊びたいのです。集合場所から車の大名行列で行きますよ、とのことでしたが、ついていった前の車がいきなりスーパーマーケットで停車。その前の車はもう見えないので一応ついていって隣に駐車します。買い物…となりのガソリンスタンドてまた停車。ガソリン補充…どこが大名行列やら…ようやく高速道路に入りますと、すぐに引き離されて見えなくなりました。あまり特徴のない銀色の車でしたので、あれかしら、と、検討をつけて5台ほど先の車に目をつけます。右に曲がります、と、ウィンカーをつけた時におやと思いました。事前にもらった地図だとこのまままっすぐでよいはず…でも彼女はベテランだから近道を知っているのかも、と曲がります。なんだか…どんどん道が細くまがりくねって…ほいと細い私道に入って停車し、郵便箱から手紙を取り出したのは、全然知らない人でした。orz その方にこれこれしかじかかの地に行きたいのですが、と、道を聞き直し、単独再出発。一度曲がり角を間違えて、とんでもない方向に行きかけましたが、どうにか標識の地名が認識でき、ひきかえして、なんとか無事に目的地の農場につきました。グーグルマップで細かに道順をプリントしておいてよかった。一時間でつくはずが、二時間になってしまいましたが、辛抱強く地図を見ていてくれた娘に感謝。

 つきますと、先導してくれるはずだった、実はこの団体のリーダーがすまなそうに言い訳してくれました。途中でとまってずいぶん待ってたのだけど。はいはい。次はもっと派手な間違えそうのない色のトレーラー付きの車の後ろにつこう、と、密かに思いました。実は昨年もきてまして、だから道ぐらい覚えていて当然なのかもしれませんが、方向音痴の私には一回ぐらいではNZのぐねぐね田舎道は覚えられません。前回はトレーラーにボートをたくさん積んだ車の後を途中停車なしに順調鈍行運転で何も考えずに来てしまったのが、少々裏目に出ました。もっとも、今回苦労したので、もう一人でも行けそうですが。災い転じて福となす。になるといいけど。

 借り物のテントを見よう見まねで設置しまして、持ち寄り晩ご飯をすませて、消灯。のはずが、バキっ???雨が降ってきた中、外にでてみますと、ポールがひとつ折れてます。補強の金具とテープで修繕しようと三人掛かりで努力しましたが、敗戦。その夜は、食事に使う大テントでの就寝となりました。蚊に愛されている娘にたっぷり虫除けスプレーをかけておいたせいか、私のほうに総攻撃。でもすごいとろい蚊たちで、ぶい〜ん、ピタ、と、とまったところをバチンとたたきますと、手応え抜群。街の蚊と田舎の蚊って、反射速度が違うのかしらん?コオロギは耳元でディスコパーティー。勢い余って顔にとびのってくる輩、数名。ぱたぱたとテントに当たる雨音の間奏を聞きながら、ああキャンプにきたんだなとしみじみ感慨にふけりつつ夢の国へと旅立ちましたのが金曜日の夜。

 土曜日はまず雨で始まりました。優しい雨で、時々とまります。朝食を終えて農場を散歩することにしました。とうさん、かあさん、子供たちが前になり、後ろになり、のんびりと牧場を横切ります。農場の端までくると、森林公園に入れます。うっそうと茂った木々の間を、香り高い落ち葉がしきつめられた踏み分け道をたどっていきました。下り続けると、湖に出ます。近辺の農場の飲み水を供給する湖で、このまま飲めるんだ、と、案内してくれた農場の息子君は言っていましたが、う〜ん?なんか途中で処理するところがあるんでないかい?と、問い返したくなりました。足を濡らして帰路。おなかぺこぺこで、トマトとチーズを載せたクラッカーのおやつがおいしかったです。

 お昼ごはんを食べた後は、雨足がずいぶんゆるんだので、カヤック決行。今度は湖の反対側へ、車で大名行列。今度はちゃんとはぐれずに行けました(10分ほどですので、あたりまえ) 二人乗りのカヤックに娘を誘ったのですが、ふられたので、一人乗りでちょっと出てみました。岸べがかなり入りくんでいるので、ちょっと曲がり込むと誰も見えなくなり、もう湖と二人っきりのデート気分。蝉時雨とカヤックの縁に戯れる波の音。あとはなんにも聞こえません。大自然の懐にすっぽりと抱かれて、こころもからだもほぐれていきます。不意に、赤いカヤックの舳先が葦の先からのぞいて、デートはおしまい。それではまた来年、と、人間界へ復帰しました。帰ってみますと、娘は子供用の小さなカヤックで奮闘中。ふ〜ん、やるきでたのね、と、ちょっとうれしくなりました。自分が使っていたカヤックは他のメンバーに譲って、しばらく娘のカヤックの近くで遊泳。二人ともかなり冷え込んだので、一足先にキャンプ地に帰りました。一人でもちゃんと帰れました(しつこい)。

 土曜日合流組が余分にテントを持ってきてくれたので、もう一度テント設置。寝袋そのたもろもろを大テントから移して、我が家完成。しばらくぶりによく運動したので、眠気に襲われ、思いっきりひるねをしてしまいました。娘はほかの子供たちと農場の息子君と、雨の中を走り回って、気がついたときにはびしょびしょどろどろ。もう着替えがあと一組しかありません。ちょっと見立てが甘かった。もうあとがないからね、と、念を押して遊ばせたのですが、やはり晩ご飯後には、びしょびしょ、^^; 雨があがって外に干してある服が乾けばいいけど、でなければ日曜日はパジャマで一日だな。

 今夜はちゃんとジッパーでしめられますので、夜の訪問者はいないはず。と安眠を期待した土曜日の夜でしたが、どっこい。夜半、豪雨。テントの端が少々浸水。折り悪く寝相の悪い娘がちょうど端っこにころがっていた時でしたので、パジャマがびしょびしょ。さ、さいごの服が…しょうがないので私のTシャツに着替えさせ、ここからもう動かないでね、とテントの真ん中へ誘導して寝袋でぐるぐるまきにしました。こんなことをしても、またすぐ転がりだすのはわかっているんですけど。雨足のぼたぼたぼたがおさまったと思ったら、今度はごうごうごうと暴風。時々テントがひしゃげます。う〜む。人が入っているから飛んでいくことはないだろうけど、こういう場合どうするもんだろうか?私が借りたテントは二人用の小さなテントです。両隣には四人家族が入れる二部屋付きの立派な家族用テントが建っていました。ばさばさばさと隣のテントが揺れる音もします。う〜む。ぼたぼたぼた、ごうごうごう、ばさばさばさ、う〜む。お、静かになった。うとうと。ぼたぼたぼた、ごうごうごう、ばさばさばさ、う〜む、うとうと。ちょっと人声がしました。どうやら見回りしてくれているよう。ぼたぼたぼた、ごうごうごう、ばさばさばさ、うとうと。こんなあれ気味の天候でも、薄っぺらいプラスチックのような二枚に囲まれただけで、しっかり眠れる環境ができるなんて、なんてすごくてありがたいのでしょう。と、雨風の音の合間に熟睡できた土曜日の夜。

 ゆうべね、あなたのテントのペグ全部打ち込みなおしたのよ、とばないように、と、翌朝、リーダーに言われました、^^:

 日曜日はゆうべの風は又三郎かと思わせるような冷え込みよう。まだ、三月なのですけど。水遊びは断念して、子供たちは農場の奥様が牛をみに連れ出してくれました。大人たちはテントをたたんで、お借りした離れの台所の掃除。最初は時々雨がぱらつきましたが、すぐにあがって、テントがかなり乾いた状態でたためたので助かりました。帰りたくないとだだをこねる娘に、家で待っている愛猫二匹のことを思い出させて、帰路につきました。あ〜、楽しかった。