南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 "The Brief History of Time"

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

たくさんの人が購入したベスト・セラーではあるけど、読み終えた人は一体どれくらいいるのだろう、と、どこかのコラムに書かれてました。私も途中で投げた一人。息子が生まれる前だから、七年以上前ですね。

ひっかかったのは、自ずと知れた、量子の所。いきなり、粒子と波動を同じに考えてくれって言われても……一応、辞書などもひきながら読んではいたのですけど、ここでお手上げ。

最近になって、ネット上でSFよりも面白くなってしまった科学ニュースなどを摘ん読・乱読しているうちに思い出したこの本。再挑戦してみました。「読書百編、意自ずから表る」と簡単にはいきませんが、当時は全然不慣れだった量子、その他もろもろの言葉達も、ニュースの端々で活躍しはじめた昨今では、それほど異端には聞こえません*1。とにかく、「読み終える事」と突き進み、なんとか目的達成。噂の超ヒモの糸口でもつかめればという期待は見事に裏切られましたが、しかたありません。

If we do discover a complete theory, it should in time be understandable in broad principle by everyone, not just a few scientists. Then we shall all, philosophers, scientists, and just ordinary people, be able to take part in the discussion of the question of why it is that we and the universe exist.


この完璧な理論*2さえつきとめることができれば、それが、ひとにぎりの科学者のみではなく、誰にでも理解できる明白な法則となる日も遠くはない。そうすれば、哲学者も、科学者も、一般庶民も、同等に、どうして我々と宇宙が存在するのかという討論会に参加できるようになるはずだ。


"A Brief History of Time, 11. Conclusion"より抜粋 (訳 南の猫*3

と、いうことで、誰かがこの発展途上の理論を解明して、優しい一般解説書ができるまでには、まだちょっと、時間がかかりそうです。でも、これまでの流れ*4をつかむ上では、お手頃な一冊だと思います*5

*1:理解不能なのは、かわりませんが。

*2:GUT Grand Unified Theory, 大統一理論というものだと思います。

*3:日本語の本が手元にありませんので、苦肉の策です。誤訳の指摘は歓迎いたしますが、プロによる翻訳との比較揚げ足取りはご勘弁のほどを。

*4:80年代までですが

*5:なにせ、方程式は一つしかでてきません。あとはかなりわかりやすい図式がたくさん。