二人に一人が一生のうち一回は骨折します。
原因がただ氷で滑った時でも綱渡り事故でも、折れた骨は同じように治ります。
人体内にはおよそ200ほど骨が様々な形と大きさで存在します。医療関係者の間では、短骨、長骨、扁平骨、そして他の全てを含む不規則系骨と呼ばれています。
形状の違いに関わらず、骨は骨細胞が点在するタンパク質基質にカルシウムを含むミネラルで補強された固い構造をしています。
この固まった外面の内に含まれる海綿状の骨髄内部に、特化した細胞に分裂、分化する幹細胞が存在します。
骨内部には血管と神経も通っており、折れた時は鋭い痛みの信号を送ります。
神経が固い組織に囲まれているため、研究するのは難しく、なぜ骨折が激しく痛むのか解明されていません。
わかっているのは、転んだ時の衝撃を直に受けるため長骨の骨折率が一番多いことです。
事故できれいに折れても、砕かれたヒビでも、骨折すると骨の内部の血管が破裂し、内出血と炎症を起こします。
これがきっかけとなり、炎症期という治癒過程が始まります。
続く一週間、体は怪我した部位に免疫細胞をたくさん送り込み、損傷した組織を取り除き、健康な新組織成長の下地を整えます。
さらに、免疫細胞は伝達分子を放出し、幹細胞をその部位に補充します。
到着した幹細胞は軟骨細胞に分化します。凝固した血液を足場にして軟骨組織から成る仮骨を作ります。
軟骨の成長はとても早く、仮のつぎとして役立ちますが、骨よりもずっと強度が劣ります。続く数週間で、一部の軟骨細胞と幹細胞はもっと強い骨性仮骨を生成する骨芽細胞と呼ばれる特別な細胞に発達します。
骨性仮骨が完成すると、再構築期が始まります。
続く二、三ヶ月の間、違う種類の細胞が骨性仮骨を侵食し、骨芽細胞が新たな骨細胞を築きます。
骨の治癒が主に行われるのがこの期間で、怪我した部位が元の形に修復されます。
しかし、この治癒期間は患者の食習慣、休養時間、そして骨折の状態によって大幅に異なってきます。
完全骨折はたいてい治りが一番早く、医師は治癒期間中に骨がずれないようにギプスや添木を使います。
しかし、骨が細かい破片に分裂したり、ひどく脱臼した場合は、もとの位置に戻すために手術が必要になることもあります。
もし、骨がずれたまま治癒してしまった場合は、外科医は、もう一度骨を折り、位置を調整し、ピン、プレート、ネジなどを使用して骨を結合するよう処置します。
再構築期が終わると、骨折した部位に小さなコブが残ることもあります。通常は、時間が経つにつれ消滅し、元通りの強い骨になります。
もちろん、骨の強度は個人差があります。
歳を重ねるにつれ、骨密度を失うため、骨折の確率は高くなります。
どうしてそう成るのか研究は進められていますが、幸いなことに、骨を強く保つ方法はもう知られています。
治癒期間ではなくても、骨はいつも再構築されており、密度と強度はふだん受ける力に応じて調整されます。
そのため、散歩、ジョギング、重量挙げなどの運動は骨密度を上げるためのいい刺激になります。
どんな運動をするにせよ、常に安全を心がけましょう。上腕骨骨折など冗談にもなりませんから。