南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「ランダウン」可

主人が好きな元プロレスラー、ロックが主演。サモア出身だそうです。こちらニュージーランドでもサモアやフィジー、その他の南洋諸島から移民される方が多く、なじみ深い顔立ちです。脇を固めるは、私のお気に入り、ショーン・ウィリアム・スコット。「バレットモンク [DVD]」で、ブルース・リーの映画をみてカンフーを習得してしまったすりを演じた元気な若者です。


原題は「Welcome to the Jungle」。「Run down」というと、どちらかというと疲労気味の意味でよく使うような。I'm a little run down with coldとか。もちろん、お使いに出る、と、使う事もありますが。誰がお使いに出るかと言いますと、ロックが演ずる取り立て人。ギャング(だと思います)の親玉の息子を連れ戻しにはるばるブラジルのジャングルへ。


でも、その前に、アメリカでまず、格闘シーン。ここで、ちょっと驚きました(シュワちゃんの顔出しの事ではありません)。なかなか見応えがあるんです。カンフーアクション(それもできれば、あまり仕掛けを使わず、振り付けだけの生格闘)にぞっこんの私としては、プロレスラーのアクションはあまり期待してませんでした。ところが、ところが。テンポがいい上に、技がきれてます。ジャングルに入ってから、反乱軍との格闘シーンなんか、お見事。それもそのはず。香港から本格アクション監督を呼び寄せたそうです。ジャングルの相手方も本場者。小柄ではありますが、シャツを脱ぐと精悍。見事な蛇腹腹筋で固そう。なのが、何人もロックに挑みかかり、ロックもきっちり応戦します。カンフーアクションははずれっぱなしだった最近、不思議な所で収穫がありました。相手方の一人の言葉。「大きいやつとするのは、あんまり好きじゃないんだ。たいてい、遅いから。でも、今回は、驚かされたよ。嬉しい誤算ってやつさ。」全くです。


話は取り立て人(「ミッドナイト・ラン [DVD]」)と宝探し人(「インディアナジョーンズ」)と現地人から搾取する極悪人(例えがおもいつかない)の絡み合いです。取り立て人と宝探し人をすんでの所で取り逃がした極悪人。配下の者に追撃の命を与える前の演説で爆笑してしまいました。
「私は、初めて歯を失った子どものような気分だ。歯を枕の下に入れて、歯の妖精*1を待っていたのに、窓を破って侵入して来たのは、二人の強盗だ。私の歯を奪って逃げた。これでは、妖精が来てくれても、何も残してはくれないだろう。私の心はずたずただ。早く、とっつかまえて、私の心を癒しておくれ。」(思いっきり意訳、by 南の猫)
何だかすごい台本です。


と、言う事で紛れもなくB級映画という物です。でも、それを踏まえて観れば、とっても楽しめます。もう少しショーン君の活躍シーンも入っていれば、言う事ないのですが。「バレットマンク」、もう一度観るしかないか。

*1:id:minami-no-neko:20050709参照