南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「アイアン・ジャイアント」優 アメリカにも銃を拒む人はいる*1

アイアン・ジャイアント 特別版 [DVD]

アイアン・ジャイアント 特別版 [DVD]

"What if a gun had a soul and chose not to be a gun?" Brad Bird

公式サイト(英語版)より。

久方ぶりにいいSF映画を見ました。原作があると聞いて、さすがにもとがしっかりしてると、いい映画になります(制作者によるけど)と書こうと思ったら、かなり趣が違うようです。

もとのお話は、海から現れた正体不明の機械が果てない生物の継続性(たとえ、死に遭遇しても)を学んでいくらしいです。イギリス作家が、お母さんを亡くしてしまった友人の子供達のために作ったお話。映画はこれにもう一つひねりを入れて、冒頭のテーマ。「もし銃が魂を持ったら。そして、自らの選択で銃であることをやめたら。」結末を知っていながら、泣かされてしまいました。

制作者は、最近では 「Mr.インクレディブル」が記憶に新しいかと。この映画はあんなに技術の限りを尽くしたアニメではありませんが、ていねいに書かれています。人物描写も背景もきれい、動きも滑らか、そしてロボットが何となく昔風(映画の設定は1957年)ながら、格好よいです(特に、切れてからの、変身振りが、って、ここでそれを喜んではいけないのですが)。墜落した記憶喪失の(頭にへこみがある)巨大ロボットと好奇心満々の少年の交流、しぶしぶ巻き込まれる芸術家のファンキーなジャンク屋お兄さん(おじさんか?)、典型的被害妄想のエージェント。こう書くと、何だかどこかで聞いた事があるようなと思いたくなるありがちな設定を、無駄なく、しっかりまとめて、最後までスクリーンから眼が離せません。あー、見てよかったとしみじみ思える映画です。

カバーを見て、昔の日本特撮番組「ジャイアントロボ」のアメリカ映画版だと、思い込んでいたのは、いつもの猫の勘違いです(たしか、ジャイアントロボも最後は巨大隕石に向かって飛んで行かなかったっけ?)。