南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「ぐうたら人間学」狐狸庵節、なつかしきかな

ぐうたら人間学

ぐうたら人間学

小学校6年生の時に、担任の先生が時々読んでくれた本。ファンだったらしく、このシリーズが学級文庫にそろってました。このぐうたら調からファンになった私は沈黙 (新潮文庫)を読んで頭の中がかきまわされたような衝撃を受けました。あまり日本人の小説は読んでいないのですが、これだけは何度か読み返しました。新聞に連載されていた女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)なども一生懸命読みました。先日、日本ものを扱っている店の片隅にある中古本コーナーで見つけたこの本。ついつい手にとってしまいました。今、読むと、当然ながら、まるで違う印象ですね。小学生の時は尿検査のびんに個体をつめた話がおかしくてしかたがなかったのですが、今回は、丸い石を三つ重ねた小さな墓の上に踊る木漏れ日のさまにうっとりと心をうばわれ、整形手術前の獅子鼻にもどってしまった奥さんに愛着のわいたタクシー運転手さんの話にほんのりと心が暖かくなり、少し大人になった気分です(爆。