南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

NZ算数 今昔

こちらの算数教育はどうかと言いますと:
其の一
こちらにきて初めての職場、おみやげやさん。一隅にキオスクがあって、おばあさんと呼ぶのはちょっと気の毒かな?くらいのおばさまが、一人で店番をしていました。一日の終わりの清算の時は、いつも紙と鉛筆。暗算とは流石、と、一生懸命計算しているのを見るたびに尊敬していました。ある日の事。
同僚:「聞いて聞いて、キオスクのおばはん。」(京都出身、あこがれの京都弁を流暢に話される方。)
猫:「何ですか?」
同僚:「清算合わなくて、ちょっと見て、いわはるから、計算機つこたんや。これこれこれって。そしたら、How did you do that? やって。計算機、つかえへんお人やねん。」
暗算の達人ではありませんでした。後で、聞いた所によると、毎日のように清算が合わなくて、会計課の頭痛の種だったとか。これは、十数年前の話。

其の二
こちらの学校の先生をしていた知人(日本人)の話。ここの算数教育は代数へ移行する時の差が激しすぎて、大抵の子供はそこで挫折するとか。もともと、足し算、引き算もろくに教えず、テストは計算機持ち込み(代数でなくて、足し算、引き算で)可。これが、十年ほど前の話。

其の三
息子の算数教育はどうなるんだろうと不安だった毎日。まだ、二年生ですけど。でも、ちゃんと暗算を教えてもらってます。時々、誇らしげに教えてくれます。
息子:「Mum, I know what five plus nine is!」
猫:「何?」
息子:「Easy, fourteen!」
猫:「じゃ、6足す9は?」
息子:「Mmm, fifteen.」
一応、日本語の数はわかります。一方通行で、バイリンガルではなく、1.5リンガル。最近、掛け算を始めました。二進法、五進法の数え方も練習しています。ある日、宿題帳を見て、落書きを発見。
猫:「これ、ノートに落書きしちゃ、駄目よ。」
息子:「It is NOT! This is how we count.」
と、言う事で説明してくれました。問題は「5x9」。まず、大きい丸を五個書きます。その中に、点を九個ずつ書いていきます。全部数えると答えが出ます。合理的なような、違うような。まず、眼で見て納得して、今度はこれを頭の中でできるようにします。しかし、私の覚えている掛け算は、5x9だと、五が九個。つまり、息子の落書きだと、丸が九個に点が五個。結局答えは同じですけど。言い方も、掛け算表もこうです。1x1=1, 2x1=2, 3x1=3, 等々。季節や星座が逆さまなだけでなく、掛け算まで。この先、ついていけるでしょうか。いちいちがいち、いちにがに、いちさんがさん。