南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 産婦人科病院 今昔 今編

二十ヶ月前


昔編 其の壱 id:minami-no-neko:20050519 
其の弐 id:minami-no-neko:20050601


ちょっと間があいてしまいました。五年後の娘の話にまいります。鍼師のコース終了間際の友達のお試しコースに参加して、治療を受ける事六週間。主目的は体調の向上でしたが、「赤ちゃん、欲しいのよね。」という話にもなって、そちらの相談も(あくまで真面目な医学的な相談ですよ。)。基礎体温から始まって、まあ、いろいろと周期の説明など。妊娠してから、焦って身体を整えるのではなく、下準備が大切との事。できれば、仕事など辞めて、ストレスのない規則正しい生活をって、それは現実には不可能に近いので、とりあえず、規則性と栄養面に集中。そこで、二回目のセッションの時に、いい卵ができるようにとお腹に鍼ともぐさいぶしなど、してもらいました。暖めると血が集まって来て、栄養交換が促進され、卵も上等に成熟するそうです。その甲斐あってか、娘はいたく元気です。息子は風邪をひくと必ずと言っていいほど、耳に来て、お医者さんのお世話になりましたが、娘は多少の鼻水は何のその。遊んでいるうちに治ってしまいます。強いのは、二番目だからとか、女の子だからとか、いう説もありますが。


めでたく、テストに反応が出たので、前にお世話になった産婆さん(病院経由KYMチーム、詳しくは昔編にて)に連絡。ところが、予定日が彼女の初孫と重なってしまいました。しかも、あちらはオーストラリア。初孫には勝てません。ので、新しい産婆さんとご対面。ほがらかを絵に描いたような、とても楽しい人で、幸運でした。週末のバックアップの産婆さんも静かながらもほんわか話をされる方でした。和気あいあいと診察を重ね、めでたく出産。と、行きたかったのですが、やっぱり時々こけました。

  • つわり 吐き気はひどくないのですが、無体力状態。座るか寝てるかしていないと、頭がくらくらすることが二周期ほど。
  • 鉄分 妊娠中期後半、ちょっと油断をして肉摂取を怠ったら、効果てきめん。しっかり血液検査で出てしまいました。産婆さんのお勧めで鉄剤購入。一応、病院支給の物もあるそうですが、胃にくるから、勧められないとの事。毎日三錠とりました。ビンには一日一錠、それ以外の指示のあるときはそちらに従いなさい、と、但し書き。一応、しばらく続けてました。流石、お勧めだけあって、胃は大丈夫でした。でも、便が真っ黒。うーむ、肝臓がコワイ、と、自主判断で一日一錠に減らしました。次の血液検査は無事パス。と、言うか、とっても健康値になってました。大体、こちらの薬は私にはよく効きます。効きすぎる傾向も。こちらの大人平均体重を基準にしているから、子供に交じってしまう私が同量摂取する方が問題なのでしょう。
  • 血圧 一番のネック。一度、めまいがして起きられなくなって、急遽お医者さんへ。血圧の下がりすぎ。寝てれば治るでしょうと帰されました。本当に世界中が自分の周りで回転するめまいでした。眼をつむると、暗いトンネルを錐揉み落下していくようで、眼も閉じられませんでした。数値を聞き忘れたのが残念(それどころじゃなかったけど)。ちなみに、いつもは、下が60-70、上は90-100あたりです。妊娠後期に入って、少しづつ、上昇し始め、80-140あたりをうろちょろ。ここも警戒態勢に入ってしまいました。
  • 血小板 息子の時と同じく、後期に入って、減少。少々、警戒態勢。


妊娠後期中頃から、今度は尿に蛋白が出始めました。ほんの少量ですが、妊娠中毒症の警戒態勢。結局、予定日より二週間早く、陣痛誘発剤のお世話に。鍼師見習いは卒業したての一人前鍼師となってまして、私は一番目の患者さん。陣痛緩和の鍼と指圧をしっかり施してもらいました。彼女ともう一人の友達と主人と三人掛かりの指圧、冷たいタオルで汗はぬぐってくれるし、間断なく暖かいハーブティーは飲ませてもらえるし。おかげで、痛み止め薬の世話にならずに、陣痛開始後約六時間の早い出産でした。産婆さんともう一人、病院の看護婦さんと五人付きの大変贅沢な出産となりました。


ここで、肝心の病院のサービスですが、残念ながらかなり質は低下。不景気の予算削減でしょうか。一応、同じ検査は同じ回数だけするのですが、前は無料だった薬が自分で薬局で買わなければならなくなったりして。一番、こたえたのが病院の食事。前回がよすぎたのかもしれません。かなり、差し入れのお世話になりました。スタッフも誠意はかわりませんが、余裕がなくなったように思いました。人員削減で仕事量が増えれば当たり前の事ですが。皆、忙しそうで、お願いをするのが気がひけました。他にも細かい所を挙げればきりがありませんが、この辺で。


産後は、又(やっぱり)、妊娠中毒症が出て、血圧を下げる薬のお世話になりました。又、一週間ほど病院でお世話になって(普通は二泊くらいで帰されます)、退院。入院中は、主人が会社を休んで息子の面倒をみてくれていました。NZでは、一年間産休が認められています(ただし、その職場に妊娠前、一年以上勤めていなければ資格がありません)。産休に入る前にちゃんと会社に届けを出しておかなければなりません。そして、期間も最初に決めておかなければなりません。一年としておいて、早めに復帰するのは認められてますが、短めに届けておいて延長する事はできません。産休は、女性側だけでなく、男性もとる事ができます。この場合、夫婦で合わせて一年間です。同時にとっても、時間をずらせてとっても構いません。それから、数年前に、有給が加わりました。最初の三ヶ月だけ手当が出ます。上限があるので、働いている時と同じ額にはなりませんが、助かります。主人の場合は、無給産休ではなく、有給の病欠扱いにしてもらいました。病欠は当人の病気ではなくても、家族の場合でも認められます。


血圧は徐々に落ち着き、かなり小さめだった娘も、ものすごい食欲でぐんぐん成長しました。今だに、小粒ではありますが、食欲旺盛(見ていて気持ちのいい食べっぷり)で元気一杯です。髄膜炎の予防接種*1が加わった以外、産婆さんの往診、Plunket、予防接種は五年前と変わりはありません。