南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 一年と一日目の独り言 - 渡NZ一年目のどたばた

青いゴジラ


気をつけていたつもりだったのに、昨年昨日が初ブログ公開日、^^;。こういうのって伝染するのでしょうか(と、人のせいにしてはいけません。

写真のゴジラ君は、今、娘のよい遊び相手。がおー、がおー、どしん、どしんとのし歩かせてます。かれこれ、十九年ほど前のおもちゃです。

当時、空港にある免税店で売り子をしてました。空港なので、早朝から夜遅くまで営業。店員は三グループに分かれ、四日勤務後三日休み。一日は朝番、遅番とグループが交代してました。と、いうことで、いつも働くメンツは一緒。グループごとに一人マネージャーがつきます。私のいたグループは日本語の達者な現地人のおじさんでしたが、ちょっと上ともめて辞職。その後釜に来たのが主人でした。人のいい性格ですぐにグループになじみ、何となくまとまってしまって、四日目の遅番の後は、そろってちかくのバーへ飲みに行くのが恒例になったほどです。

なかなか大きなモーテルのバーで、いろいろカクテルなども作ってくれました。ここで初めて飲んだのが、ビールとレモネード半々の軽いシャンティ。ドランビューイの入ったショットグラスをビールのグラスに沈めて少しづつ傾けながら、ビールの苦み(確かスタインラーガー)とはちみつのようなねっとりとしたドランビューイの甘さを味わう不思議なカクテル(名称不明)。バナナ・ダイキリに苺ダイキリなどなど。

空港店は日本人はそれほど多くなく、このグループには私と少し年上のちゃきちゃきしたお姉様と、あとは……忘れました。このお姉様とスコットランドから来ていたさらさら金髪美男子と主人と私が何となく気があって、よく固まって話すようになりました。そのうち、主人と私の住居が近いことがわかり、飲んだ後など一台の車は置いておいて*1、一台で送り送られしだし、じゃ、ここでコーヒーでも、の仲になり、デートらしきものをするまでにはなったのですが。

自由な男女交際*2という点では当時からかなりすすんでいたのではないでしょうか、ニュージーランド。フラット*3に住む若者達はボーイフレンドやガールフレンドが泊まりにくることなど日常茶飯事。カップル解消後も、よっぽどひどい分かれ方ではなければ、友人としてつきあいが続く人も多いです。主人の学生時代からの友人はなかなかのハンサムで頭もきれるとあって美女にもてました。先日、昔の仲間と夕食会となった時のこと。奥さんと、オーストラリアに行った元カノ二人と、もう一人現地に残った元カノ一人、総勢四人の美女が和気あいあいと携帯電話で自分の子供達の写真を見せ合いながら談笑するテーブルで、一人手持ち無沙汰にワインをすする三人の子持ち男の図。さすがにこのときはちょっと複雑な心境だったそうです。

なんだか、つらつらと長くなりそうなので、続きは後日にでも。

と、思ったのですが、ここで書かないとずっと終わらせそうにないので、続けます。

この免税店は市内のホテルの一角にお店を構えたのが始まりで、私も最初はそちらで働きました。ここは日本人の方が多い職場で、二十歳前後の若いワーホリ女子に混じって、一応四捨五入ではぎりぎりまだ二十歳の私も働いていました。一方的に日本人の多い中、ちらほらといるバイトの現地人はやはりもてます。その中で、日本語が結構達者な年下の現役大学生が何を血迷ったか私をデートに誘い*4、大学生のパーティーやら、遊園地やら、学生のたまり場の茶店やら一緒にでかけました。この時点でもう彼は日本に一年ワーホリに行く事が決まっていたので、一緒にでかけた期間は短いものでした。律儀な彼は、日本からきれいな手書きの文字で手紙を送ってくれました。ワープロのワの字が会社でそろそろ普及し出した頃の話で、チャットとかメールとか未聞の時代です。

主人には、ワーホリぎりぎり歳の年上の日本人の彼女がいました。やはり、同じ免税店からみです、^^;。同性の私から見ても、見目麗しく、スタイルよく、黒光りするつなぎのスーツに身を固め、単車にまたがる格好よさ。でしたが、ワーホリ期間を終えて、お次はお隣、オーストラリアへとよくあるパターン。

と、茶飲み話や酒飲み話の間に間にこういった話題もカバーされるので、デートらしきものをするようになった時には両人とも、両人の一時停止カレ・カノジョのことは知っていた訳です。オーストラリアに行ってみようかな、という主人に、行ってみたら〜、と、いい加減な私。本当に行くとは思っていなかったので(爆、よし行くぞ、と、言われた時にはびっくりしました。少々胸が痛みましたが、ま、あの彼女だったらこうなるか、と、開き直りの射手座。ちょうど私も一時帰国の時だったので、これでご縁もここまでと、主人を見送った後、自分も日本へと飛び立っていきました。

ので、又、オークランド空港に降り立って、税関を通った後、主人の顔を見たときの第一印象は、おい、きみはここで何をしているんだ、でした。飛行機の時間を教えた覚えはないし、迎えは女友達に頼んでおいたはずだし。日本とニュージーランドとのフライトというのは、日本に行くのは楽ですが(一日が三時間*5増えるし、飛行が日中なので)、ニュージーランドに来るのはきついのです。日本を夜出る上に、一日が三時間減ってしまいます。ただでさえ、寝不足になる夜間飛行に加え、非人間的な早朝に異国の空港に放り出される*6ことになります。そのぼけた頭で必死に事前の手配を思い浮かべて、Sさん来るはずだから待たなくちゃ、という私に、彼女には話してあるから大丈夫、と勝手にスーツケースを持って歩く主人。

一応、部屋に落ち着いてから、主人はシドニーの話をしてくれました。一番、楽しかったのは店を見て回る事*7

"I saw so many neat things. And so many cat things. I kept thinking that 'Oh, Neko'll like this, mmm, Neko'll love that!' then, all of a sudden, I thought 'What the hell am I doing here?'"
「いろいろ洒落たものがあってさ。猫物なんかもたくさんあった。で、『これなんかNekoが好きそうだな、あれなんかものすごいつぼじゃないかな』とか思ってて、突然気がついたんだ。『おれはここで何してんだ?』って」

で、これがお土産と渡されたのが……写真の物です。

これね……という私に、こういうの好きだろ、と主人。そりゃ、SF好きですけど、それだけ猫物のお話をしてくれた後にこれですか、と、時差ぼけと戦いつつある頭の中で状況判断の針は狂ったコンパス並みの回転率でした。そんなこんなで第一ハードルを越えたこの物好きカップルはのらりくらりと日々を暮らし、七年だか八年後に式を挙げ、結婚十周年を迎えた年に、七歳児と二歳児を抱えておたおたしております。

*1:一応、空港の従業員用の駐車場が使えたので。

*2:死語かな?もう常識?

*3:一軒の家を何人かで貸し家します。たいてい、一人責任者がいて、部屋が空く度に、新入者を募集します。

*4:後で、私の年を聞いてちょっとびっくりしてました。年上とは思わなんだとのこと。どうせ、童顔です。

*5:夏時間だと四時間。

*6:もし、小さなお子様連れのご旅行を計画されている方は、飛行機の椅子に座ったらごはんなど待たずに即、子供を寝かしつけることをお勧めします。

*7:とっても買い物好きです。これで、私も買い物好きなら、完璧なマッチになるのですが、実は買い物はあまり得意ではなかったりします。