南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 やはりマイカー

お客様がいらっしゃることになり、何と果敢にもバス利用とのこと。こちらのバスはそのわかりづらさが半端ではありません。

今のStage Coachという会社は、昔のYellow Busをイギリスの同名会社が購入した時に改名されました。もともとはあちこちにある小さなオークランドのバス会社を全部統一したいという試みです。フェリーも電車も一応傘下におさまり、念願だった路線地図と時刻表の統一がなされました。ついでにウェブサイトも立ち上げ、何とか一覧を目にすることができるようになりました。

もう一つの大事業として、さびれてしまった中央バスステーションと少し離れた駅も統合してしまおうと、ちょっと素敵な歴史的建物「中央郵便局 (CPO Chief Post Office)」を大改築して、バスの始発を一カ所に収め、線路を延長して駅も収めるはずだったのですが……駅は立派に便利な市内にできました。でも、バスの始発は相も変わらず、市内にばらばらとちらばってます。A方面はB通りより、D方面はE通りより、F方面はG通りより、と、まちまちで、そのちらばり具合もなかなかの物。始発地点には二つ、三つとバス停が並び、自分のお目当てのバス番号を探し当てて、そこで待ちます。

始発はぞろぞろと人が乗るからよいのですが、そこからが又、大変です。途中のバス停は大きな所以外は(これが、又、大きい所かどうかの判断も迷う)任意性ということで、こちらが乗りたいと意思表示をしないと止まってくれません。つまり、来るバスを目をさらのようにして見はっていて、自分のお目当て番号が見えたら、必死に手をふらないといけないのです。

お客様には一応、このウェブサイト
http://www.stagecoach.co.nz/timetables/routeframeA.html
を、お教えしておいたのですが、やはり電話がなりました。
「何だか、バス停がよくわからなくて、人に聞いてもたらいまわしなのです」
ではでは、と、こちらでサイトを立ち上げ、aaa番のバスをbb通りから、と、指示を出します。しかし、これは私の入力失敗でした。のりたい場所をAuckland Cityにした所、お客様の現在位置よりちょっと遠い中心街の反対側のbb通りのバス停が出てしまったのです。むか〜し、バス通勤をしていた頃の記憶をたどって、え〜と、この辺、と、のりたい場所をcc通りとすると、でました。ここは私が昔帰宅するのに使っていたバス停です。ここで、二番目の指示、cc通り、dd会社の前のバス停で、aaa番のバスを。しばらくして、電話が鳴ります。
「手を振ったのですが、無視されてしまいました」
!!!時々、あるんです……じゃ、やはり、始発の場所かな、と、調べましたが、散々歩き回ったお客様はもう現時点の方が安全でしょうとのことで……それはそうです。では、30分後の同じ番号を狙って、頑張って下さい、で、半時間待ち時間。これでダメだったら、今度はeee番か、fff番、と、サイトを次の時間のバスを出して待機です。

このバス番号が、これ又、微妙です。最後の一文字で、目的地につくかつかないかの運命の分かれ道です。中央通りを進むバスですが、変な所でサービスが行き届いていて、所々、脇の住宅街用の道をくねくねと入って歩いても五分程しかかからないような間隔で立っているバス停を、お客様の要望によっていちいち止まっていきます。最後の一文字が自宅の道に入ってくれるかどうかの判断基準になります。うちの前も一応バス通りです。ここから学校へ行く途中(1kmもない)に老人ホームがありまして、その前に屋根付ベンチの立派な(?)バス停があります。そこから、又、5分も歩かないところに、細い材木に白ペンキを塗りクロテープを二本張っただけのバス停があります。こんな所で待っていて、運転手さんが気づいてくれるのか、非常に疑問です。待っている人を見た事はありません。ここがうちから一番近いバス停ですが、私も利用した事はありません。何故なら、うちの前を通るバスは一日二本だけだからです。午前中に一本、街に向かう便と、午後に一本、帰ってくる便。はっきり言って、老人ホームのご老人用のバスサービスです。でも、このバス停からの利用者は一日に一人いるかどうか(午前の便しかわかりませんが)。私が通勤していた頃は、10分程えっちらおっちら上り坂を登って主道路まで出てそこのバス停を利用していました。ここだと、20分おきくらいに市方面のバスが来ます。しかし、ここでも番号を気をつけて、一日一往復の住宅サービスバスを避けないと、30分で着くはずのバス旅が1時間になってしまうことも。

さて、電話がしばらく鳴らなかったので、これはバスに乗れたにちがいない、バス停までお迎えにでも行きましょうか、と、携帯に電話します。もしもし?
「何だか、行き過ぎてしまっているようです」
え?うちの方面に来るには高速道路利用です。バスは、お教えした高速道路出口を出ずに、次の出口まで行ってしまったらしいとのこと。
「今、fff通りです」
うわ〜、行き過ぎ。
「aaaX番に乗ったのですけど」
うわ〜、Xがついてる……この微妙なバス番号、Xが付くと急行になります。つまり、住宅サービスバスの反対で、今度は途中の細かい道は無視して、終点近くしか住宅方面を寄ってくれません。結局、最後の手段として、一番わかりやすい終点で降りてもらい、ちょうど帰宅途中だった主人に迎えに行ってもらいました。

最高でも1時間で着くはずだったバス利用は、3時間を越え、子供達と遊ぶ事を楽しみにしていたお客様はあたふたとごあいさつをしただけで、次のお約束へ。お疲れさまでした、m(_ _)m。

教訓:
お客様への指示はもっと的確に。最寄りのバス停の住所、バス番号をしっかりリストアップして、事前にお渡ししましょう。もっと、いいのは、やはりお迎えに行く事です。これだから、バス会社はいつまでたっても赤字なんですよね。