南の猫の新西蘭雑記

日本も結構好きなのですが、根っこがこっちに深いです。

 「男の子のそだてかた」

Raising Boys: Why Boys Are Different - And How to Help Them Become Happy and Well-Balanced Men

Raising Boys: Why Boys Are Different - And How to Help Them Become Happy and Well-Balanced Men

As long as you are willing to 'have a go,' you will always achieve something. The more you do, the more you will rediscover your talents at fathering and your own unique style. There is nothing as satisfying as raising great kids.

 お父さんに向けられた章でありますが、私のようないいかげん母にもありがたい言葉です。あきらめずに、あせらずに、とにもかくにも、長い目で、と。口うるさい短気な母親なので、反省してます。もっと、子供を信頼して、小言を減らして、褒め言葉を増やそうっと、年末への抱負。

 具体的な内容としては:

  • 赤ちゃんのころから女の子の方が、スキンシップに積極的なようです。でも、だからと言って、男の子が女の子ほどだっこが必要ではないのでは、決してありません。より積極的にだっこしてあげましょう。
    • 確かに、娘のほうが積極的ではありますが、これは性格によるところのほうが大きいような。二人ともだっこは大好きです。
  • 男の子と女の子生理的に違うので、一緒に同じように育てるのは、子供にとっても負担になります。特に小学校に入る年代(こちらですと、5歳)は、細かい動作を司る運動神経の差が顕著なので、書くことが不得手な男子生徒がたくさんいるのも不思議なことではありません。男の子は一年、入学を遅らせてもよいのではないかとの、画期的な提案。
    • うちの息子も未だに文章を書くことが非常に不得意です。でも、同じクラスの女の子のきれいなノートと比べてもしかたのないことなのだな、と、反省。ま、九歳にもなれば、追いついてもいい年頃なのですが、苦手意識をかなりひきずっているようなので、そこいらへんから、対応が必要。
  • 脳の発達具合もかなり差があります。男の子は、右脳と左脳の連結がかなり遅いとか。連結がしっかりしていないと、表現したいことがうまく言葉ででてこないそうです。一般に女の子の方が口が達者なのは、ここに起因するそうです。
    • 話しはじめるのはちょっと遅かったけど、いったん話しだしたら、日本語も英語もしっかり文章になっていた息子。いわゆるたどたどしい赤ちゃんおしゃべりというのがありませんでした。娘の最初のおしゃべりは、もう無鉄砲に聞きかじった言葉をとにかく並べているだけ。英語も日本語もちゃんぽんで、周りは眼を白黒。ようやく最近聞き返さなくても会話が成り立つようになりました。ので、性格によっては、一般論無視でこれほど差が生じるというよい見本。
  • 母親が中心だった赤ちゃん期から、少年期は父親のすることに興味が移る時期。どんどん、父親との時間を増やしましょう。子育てほど大切な仕事はありません。お父さんがた、週末まで返上しなければならない職場なら、少々収入が減ってもよいから、きっぱり見切りをつけて転職しましょう、と、また、かなり大胆なご意見。
    • たしかに、主人が連れ出すようになって、とっても嬉しそうな息子の様子。羨ましくてしかたがない娘をなだめる、損な役割の私。娘とも、もっと遊んであげないとな……
  • 思春期になると男性ホルモンが一挙に増加して、行動したくてたまらないけれど、まだ頭の中身がおいついていかない、当人にも回りにももどかしい、むずかしい時期。ここでしっかり大人としての準備をさせないと、近年増加している子供男の仲間入り確定。この年頃にどこかに弟子入りさせたり、寄宿学校に送ったりして、男の子を親元から離して鍛えた昔の制度はそれなりにツボを押さえたものだったとか。とにかく、男手はお父さんだけでは足りないので、おじさん、おじいさん、親戚でも隣人でも、師匠と仰げる人物を確保しておきなさい、とのこと。
    • とりあえず、理論はおさえた。後は主人とおじさんたちにがんばってもらおう(をい。

 とにかく、何でも一人で背負い込まないで、できるだけたくさんの協力者を得ましょう、と、少子化核家族化がますます進む現代社会で苦悩する孤独な両親たちに、励ましとハッパをかける良書です。